ぼくの生物学講義―人間を知る手がかり―

私は日高敏隆先生の著書や訳書を高校生の時に読んで生物学者になることを決心した。特に、通っていた高校のある国立市の公民館で、講演を聞いて、公民館だよりに短い文章を書かせてもらってから、進路は決定的になった。
この本は、京都精華大学客員教授として日高先生がなさった講義をまとめたものであり、高校生の時の記憶がよみがえってくるものである。

最初の出だしは、「ぼくは東京大学の動物学教室の出身ですが、入ったときに非常に苦労をしまして、学校を間違えたから、ちょっと変わろうかと思ったぐらいだったんです」で、その後、京都大学で仕事をするようになるのだが、
昔の動物学教室は生理学ばかりだったから確かにその通りだったのだろう。
長い目で見れば望んだ学問ができるというのは、よくあることだと思う。
ただ、願いを忘れてはいけないのだけれど。。。