ケンポナシ

小倉橋から歩き始めてしばらくすると、歩道にケンポナシの実がたくさん落ちていた。枝の部分が肥大して、ナシのような味がするそうだが、落ちているものなので食べてはみなかった。
ケンポナシには思い出がある。ミトコンドリア葉緑体は核のある細胞に矯正したものであるというマーギュリスの共生説を日本に導入した細胞学者の佐藤七郎先生が、小石川植物園の入口のケンポナシの前で、子どもの時に食べた話をしてくださったのだ。まだ、植物学教室に進学したばかりだったので、いっそう強く覚えているのかもしれない。