研究室の入室条件

 21日から私の所属している農学科の卒業研究の研究室の入室の手続きが始まる。私の研究室は広い意味の里山をフィールドとし、学生が一人でできる小規模な研究を一人一人が完結するというタイプの研究を行っている。
 永年やってきたのは、オートエコロジーすなわち種生態である。カワラノギク、カワラニガナ、タヌキ、ミクリ、ホトケドジョウ、オオフサモ、トウキョウダルマガエルユキヤナギ、ミヤマナルコユリクサガメコセンダングサ、キササゲ、いろいろな生きものを対象にしてきた。外来種などのはびこっている種と、逆に危機にある絶滅危惧種を扱ってきた。
 テーマ性のある研究も行ってきた。大島空港拡張に伴う植栽による遺伝子のかく乱、大島空港拡張のカラスバトのねぐらへの影響、外来の緑化植物による遺伝子レベルのかく乱、タヌキの交通事故現場の条件、ドバトのスナック菓子による餌付けの影響(東京都公園協会最優秀賞)などである。

 私の研究室で一番必要なことは、野外で一人もしくは自分が中心になって研究できる能力である。室内実験と異なり、野外調査では予測していないことが多い。そのようなときに新しい発見もある。野外調査ができるか、できるようになるという強い意志がある学生に出会えることを望んでいる。