学生の研究の自由

 私は学生に対して基本的に放任することにしている。研究の、企画、実施、取りまとめ、発表、研究費の獲得というサイクルの一部でもいいから、学生が自分の力でやってもらうことで、人間的な力が付くと思うからである。
 それと比べれば、学問的な成果なんて影が薄い。

 ただし、これは職業的な研究者にならない学生の場合であり、職業的な研究者を目指す場合には、学問の世界での評価も考えなければならない。また、論文の数が確保できるようにということも考えざるを得ない。

 でも、基本的に大事なのはどんなときにも、自分らしく問題を解決していく能力を身に着けることである。そうでなければ、あすの日本がおもしろくない。

 これから100あまりの卒業研究につきあって、どのような世界を開くことができるだろうか。学生だけでなく、私自身がユニークな存在であり続けたい。