エコグラフィー

 昨日は卒論中間発表会だった。私の研究室の卒論のテーマの多くは、「〇〇における××の△△」というタイトルである。
 これは、私が枚挙の生態学エコグラフィーを実践していることによる。明治大学に移ってきたとき、学生の数は17名、よその人からはカワラノギクのテーマを研究させるのかといわれた。でも、17人もいたらめいめい違うことをやると随分いろいろなことができそうだと思った。
 そこで大学院生の時の研究室のお客様、たぶん吉良先生だと思われるのだが、の言葉を思い出した。geologyとgeograpyは普遍性を目指す化学と個別性を目指す科学であり、生態学においてはecologyのほかにecograpyの研究が必要だということだった。
 研究室では、原則としてエコグラフィーの研究から始めてもらっているので、最初の述べたようなタイトルが多いのである。
 エコグラフィーは種生態だけではないことに最近気づいた。群集レベル、生態系レベル、景観レベル、生態系管理(植生管理)手法なども、扱い方次第ではエコグラフィーの研究なのである。

 さて、明治大学に来て16年目、今度が15代目の卒業生である。一学年平均8名としても、120件の卒論があることになる。この卒論をベースにして新しい学問のシンセシスを図らなくてはエコグラファーにはなりきれていない。これからは、総合化にも意を用いなければと思う。