学生との意識のギャップ

私の研究分野は造園学の一部である生態工学だ。
造園学は人と自然との空間的関係学とされる。生態工学は人と野生の生きものが共存するための技術学だ。
大部分の研究室の学生の研究は、生態学つまり野生の生きものがどのように生活しているかの研究であり、私が目指す造園学の一部である生態工学まで行きつかない。
技術学すなわち応用学は具体的な現実の課題がなくては成り立たないのかもしれない。自分の好きな生きものの生活を調べることと、共存のためのクリティカルな技術は別のことなのだろう。
そう考えてみると、生態学の研究が生態工学の研究に発展するという希望を持たずに、生態工学的な発想の学生を大切にした方がよいのだろうと思えてきた。